医学的に「かぜ」という病気はありません。一般的に上気道(鼻・咽頭・喉頭)の急性炎症の呈する疾患の総称を「かぜ症候群」と言います。最近ではその症状が上気道だけでなく下気道(気管・気管支・肺)にまで広がっていることが多く、多病因による気道の炎症症状を総称する意味で「かぜ」または「かぜ症候群」という病名が使われています。
急性鼻咽頭炎(普通感冒)から急性喉頭炎、咽頭結膜熱、インフルエンザ(流行性感冒)、マイコプラズマ肺炎 などまでの総称です。ただし、多くの場合単に「かぜ」と言えば普通感冒を指し、それ以外を 「かぜ」と呼ぶことは少ないようです。インフルエンザについても「かぜ」と呼 ぶことも多いようですが、インフルエンザは重症化することもあり、普通感冒と混同されることを問題視する人は、「インフルエンザを かぜと呼ぶべきではない」と警鐘を発しています。
「かぜ」とは、主にウイルスの感染による上気道(鼻腔や咽頭等)の炎症性の病気で、咳、のどの痛み、鼻汁、鼻づまりなど局部症状(カタル症状) と、発熱、倦怠感、頭痛など全身症状が でる状態のことを指し、このことから上気道感染症とも呼びます。ふつう鼻汁は 「かぜ」の初期はさらさらとした水様で、徐々に粘々とした膿性に変化すます。 また、消化管のウイルス感染によって嘔吐、下痢、腹痛などの腹部症状と上記 のような局部症状・全身症状を来した状態を、「お腹のかぜ」(もしくは胃腸かぜ)と呼ぶこともあ ります。